ジョンストン島

航海日記

4月19日 天候 晴

2022/04/20更新(日本時間)

ジョンストン島が近づいてきました。1962年7月8日、この島の400Km上空で高高度核爆発実験が行われました。その瞬間、ハワイの街頭が一斉に消え、無線も電話も使えなくなったと聞きました。この時初代マーメイドは、ちょうどハワイの北に差し掛かっていました。
ホノルル時間の7月8日午後11時でした。キャビンに寝ころがってラジオを聴いていた時です。なんだかピカッと光りました。10分くらいすると雲が不気味な赤みを帯びて西の空を覆いました。そして、その日から4日間ラジオが全く聞こえなくなりました。雑音ばかりのラジオ。そして、暗い空に不気味な赤い雲。死の灰が降るかも。逃げ場がありません。本当に怖かった。
高高度核爆発実験による電磁パルスの影響と知ったのは、ずーと後のことです。日本人でこの実験による影響を直接受けた人は、今はあまりいないのではと思っています。
初代マーメイドで電子機器と言えるのは小さいラジオだけでした。サントリーマーメイドⅢには無線機、衛星電話、GPS、トラッキングシステムなどがあります。現在の航海では毎日の安否確認は絶対条件です。電子機器のどれ一つ使えなくなっても、航海はできなくなります。
世の中には60年前と比較にならないほどの電子機器が氾濫しています。一つの兵器で世界が取り返しのつかない事態になってしまいます。
何年か前、電磁パルス爆弾の話が報道されていました。実験であれ本番であれ絶対に使わない事!。ジョンストン島の近海を通るに当たり、今年は特に思うのです。

※航海日記の文章内の日付は全て現地時間です

 

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